建替時の立退料等の処理
<例題>
アパートが古くなったので建て直す為に、立退料300,000円と解体料1,000,000円を銀行口座から支払いました。
アパートの帳簿価額は、1,545,000円です。
(仕 訳)
借方 貸方
立退料 300,000
固定資産除却損 1,545,000
解体料 1,000,000
普通預金 300,000
建物 1,545,000
普通預金 1,545,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
300,000 立退料 ○○さん立退料 普通預金 300,000
1,545,000 固定資産除却損 アパート除却 建物 1,545,000
1,000,000 解体料 ○○建設(株) 普通預金 1,000,000
合 計
立退料・解体料・旧建物の簿価・不動産所得の計算上、必要経費に算入することとなります。したがって新しいアパートの取得価額に算入することはできません。自宅を壊して、アパートを建てる場合の解体費用は必要経費に入りません。また事業的規模(5棟10室基準)でない場合は、固定資産除却損については、不動産所得の金額を限度として必要経費に算入します。
目次へ戻る
水道施設工事負担金の処理
<例題>
アパート新築に当たり、浜松市水道部に水道工事基本分担金168,000円と審査手数料2,300円を銀行口座から支払いました。
(仕 訳)
借方 貸方
水道施設利用権 170,300
普通預金 170,300
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
170,300 水道施設利用権 浜松市水道部 普通預金 170,300
合 計

<例題>
水道施設利用権170,300円を支払いました。無形固定資産として耐用年数15年で償却を行います。残存価額はゼロとして計算します。3月よりアパート貸付開始。
12月決算で、170,300円×1/15年×10ヶ月/12ヶ月=9,461円
(仕 訳)
借方 貸方
水道施設利用権償却 9,461
水道施設利用権 9,461
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
9,461 水道施設利用権償却 償却費計上 水道施設利用権 9,461
合 計
目次へ戻る
下水道施設負担金の処理
<例題>
浜松市下水道部に下水道負担金171,600円を銀行口座より支払いました。(400円/平方メートル)
(仕 訳)
借方 貸方
下水道施設負担金 171,600
普通預金 171,600
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
171,600 下水道施設負担金 浜松市下水道部 普通預金 171,600
合 計
6年均等償却(繰延資産)
目次へ戻る
預金利息の処理
<例題>
アパートの入出金を処理している銀行口座に利息が400円振込まれました。
(仕 訳)
借方 貸方
普通預金 400
店主借 400
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
400 普通預金 利息 店主借 400
合 計

法人の場合は、源泉税15%、復興特別所得税0.315%の合計15.315%になりました。入金された預金
利息400円÷(1−0.15315)=472円(1円未満切捨て)利息総額、472円として、
源泉源泉所得税分、472円×15%=70円(1円未満切捨て)
復興特別所得税分分、472円××0.315%=1円(1円円未満切捨て)
合計71円が税金
  
(仕 訳)
借方 貸方
普通預金 400
法人税等(源泉所得税) 70
法人税等(復興特別所得税) 1
受取利息 471
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
400 普通預金 利息 受取利息 471
71 法人税等 利息
合 計
目次へ戻る
建築確認申請費用の処理
<例題>
設計事務所に建築確認申請費用300,000円を銀行口座から支払いました。
(仕 訳)
借方 貸方
建物 300,000
普通預金 300,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
300,000 建物 ○○設計事務所 普通預金 300,000
合 計
目次へ戻る
地鎮祭に要した費用の処理
<例題>
住民対策費200,000円と地鎮祭に要した費用50,000円を銀行口座から支払いました。
(仕 訳)
借方 貸方
建物 200,000
建物 50,000
普通預金 200,000
普通預金 50,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
200,000 建物 ○○商店 普通預金 200,000
50,000 建物 ○○神社 普通預金 50,000
合 計
目次へ戻る
登記費用・不動産所得税の処理
<例題>
登記費用250,000円(登録免許税200,000円、司法書士報酬50,000円)と農地転用申請費用150,000円を銀行口座から支払いました。
(仕 訳)
借方 貸方
租税公課 200,000
雑費 50,000
開業費 150,000
普通預金 200,000
普通預金 50,000
普通預金 150,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
200,000 租税公課 登録免許税 普通預金 200,000
50,000 雑費 ○○司法書士 普通預金 50,000
150,000 開業費 ○○測量事務所 普通預金 150,000
合 計

<例題>
不動産取得税160,000円を銀行口座から支払いました。
(仕 訳)
借方 貸方
租税公課 160,000
普通預金 160,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
160,000 租税公課 不動産所得税 普通預金 160,000
合 計
目次へ戻る
三方原用水土地改良区の処理
<例題>
三方原用水土地改良区100,000円を銀行口座から支払いました。
(仕 訳)
借方 貸方
開業費 100,000
普通預金 100,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
100,000 開業費 三方原改良区 普通預金 100,000
合 計
目次へ戻る
国民健康保険・固定資産税などの処理
<例題>
生活費200,000円、国民健康保険50,000、国民年金30,000円、所得税130,000、市民税10,000円、固定資産税360,000円(貸している所の部分)事業税110,000円を銀行口座から支払いました。
(仕 訳)
借方 貸方
店主貸 200,000
店主貸 50,000
店主貸 30,000
店主貸 130,000
店主貸 10,000
租税公課 360,000
租税公課 110,000
普通預金 200,000
普通預金 50,000
普通預金 30,000
普通預金 130,000
普通預金 10,000
普通預金 360,000
普通預金 110,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
200,000 店主貸 生活費 普通預金 200,000
50,000 店主貸 国民健康保険 普通預金 50,000
30,000 店主貸 国民年金 普通預金 30,000
130,000 店主貸 所得税 普通預金 130,000
10,000 店主貸 市民税 普通預金 10,000
合 計
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
360,000 租税公課 固定資産税 普通預金 360,000
110,000 租税公課 事業税 普通預金 110,000
合 計
目次へ戻る
家賃以外の処理
<例題>
家賃以外に共益費5,000円が銀行口座に振り込まれました。
電気代2,000円、清掃公社1,000円、小規模企業共済70,000円が銀行口座から自動引き落としされました。
(仕 訳)
借方 貸方
普通預金 5,000
水道光熱費 2,000
雑費 1,000
店主貸 70,000
家賃収入 5,000
普通預金 2,000
普通預金 1,000
普通預金 70,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
5,000 普通預金 ○○さんより 家賃収入 5,000
2,000 水道光熱費 電気代 普通預金 2,000
1,000 雑費 清掃公社 普通預金 1,000
70,000 店主貸 小規模企業共済 普通預金 70,000
合 計
目次へ戻る
火災保険料の処理
<例題>
火災保険料720,000円(積立部分600,000円、経費120,000円)を、30年分普通預金から前払いました。(満期返戻金特約付長期損害保険は、積立部分については、保険積立金として処理し、必要経費に算入しません。)
(仕 訳)
借方 貸方
保険料 120,000
保険積立金 600,000
普通預金 720,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
120,000 保険料 火災保険 普通預金 720,000
600,000 保険積立金 火災保険
合 計
(決算時の仕訳) [120,000円×29年/30年=116,000円]
借方 貸方
前払保険料 116,000
保険料 116,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
116,000 前払保険料 前払保険 保険料 116,000
合 計
目次へ戻る
ローン保証料の処理
<例題>
ローン保証料35年840,000円を銀行口座より前払いしました。
(仕 訳)
借方 貸方
支払保証料 840,000
普通預金 840,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
840,000 支払保証料 保証料 普通預金 840,000
合 計
(決算時の仕訳) [840,000円×34年/35年=816,000円]
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
816,000 前払保証料 前払保証料 支払い保証料 816,000
合 計
目次へ戻る
アパートを新築した時の処理
<例題>
アパート(重量鉄骨)新築代金7,245万円を銀行口座から支払いました
[内 訳] [金 額] [耐用年数]

本体工事 5,250万円 34年
電気設備代 840万円 15年
給排水工事 630万円 15年
アスファルト舗装 210万円 10年
火災報知器 210万円 8年
自転車置場(金属製) 42万円 19年
庭園工事 63万円 20年
(仕 訳)
借方 貸方
建 物 52,500,000
建物付属設備 8,400,000
建物付属設備 6.300,000
構築物 2,100,000
建物付属設備 2,100,000
構築物 420,000
構築物 630,000
普通預金 52,500,000
普通預金 8,400,000
普通預金 6.300,000
普通預金 2,100,000
普通預金 2,100,000
普通預金 420,000
普通預金 630,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
52,500,000 建物 建物 普通預金 52,500,000
8,400,000 建物付属設備 電気設備代 普通預金 8,400,000
6,300,000 建物付属設備 給排水設備 普通預金 6,300,000
2,100,000 構築物 アスファルト 普通預金 2,100,000
2,100,000 構築物 火災報知器 普通預金 2,100,000
合 計
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
420,000 構築物 自転車置場 普通預金 420,000
630,000 構築物 庭園 普通預金 630,000
合 計
目次へ戻る
前受家賃・未収家賃の処理
<例題>
12月に翌年の1月分の家賃50,000円が普通預金に振り込まれていました。
また、12月分の家賃70,000円を振り込んでいない借家人がいました。
(仕 訳)
借方 貸方
普通預金 50,000
前受家賃 50,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
50,000 普通預金 ○○さん1月分入金 前受家賃 50,000
合 計
(翌年1月1日付の仕訳)
借方 貸方
前受家賃 50,000
家賃収入 50,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
50,000 前受家賃 ○○さん振替 家賃収入 50,000
合 計
(未収家賃の仕訳)
借方 貸方
未収家賃 70,000
家賃収入 70,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
70,000 未収家賃 ○○さん分 家賃収入 70,000
合 計
目次へ戻る
未払金の計上処理
<例題>
12月に借家の塗装工事をし、120,000円を翌年1月に支払いました。
(仕 訳)
借方 貸方
修繕費 120,000
未払金 120,000
  振替伝票   NO._________


. . . . .

.
  借 方 科 目 摘  要 貸 方 科 目 金 額
120,000 修繕費 ○○塗装 未払金 120,000
合 計
目次へ戻る
店主貸・店主借・元入金の処理
店 主 貸 ----- 生活費等で、不動産所得の必要経費にならないものの勘定科目(自宅の電気代、水道代、ガス代等)
店 主 借 ----- 家賃等の収入以外で不動産所得の収入にならないものの勘定科目(利息、配当金等)
元 入 金 ----- 会社でいう資本金で毎年変わる
(仕 訳)
店主借+元入金+青色申告控除前の所得金額−店主貸=翌年の元入金
店主貸、店主貸は、貸借対照表に計上されていますが、資産や負債では ありませんので残高として翌年に繰越すことはありません。
目次へ戻る