相続税の調査は、通常9月から12月までに行われます。事前7割、実地3割と
いわれるほど、事前調査を十分に行っています。
まず4月は、確定申告の内容審理を行い、譲渡所得調査事案の選定をしま
す。資料箋と付き合わせ、特例適用の適否等、ほとんど資料調査で済ませま
す。ここで不審な申告内容があれば、5月~6月にかけて呼び出し、確認し
ます。7月に人事異動があり、譲渡所得や不動産所得の実地調査は7月~8月
にかけて行われます。
そして、相続税の調査は9月から始まり12月で終わります。被相続人の預
金はもちろんのこと、被相続人の所有固定資産の確認を市町村に照会してい
ます。更にというよりも、もっと大事なことは、相続人の預貯金、そして相
続関係人等(孫、相続人の配偶所)の財産状態を調査しておきます。
被相続人の調査なのに、なぜ、相続人や関係人の財産を調査するのか。
これは調査する税務署としては当然のことです。
被相続人の相続税調査の目的は、被相続人の財産がどこかに隠されていな
いかを調査するのが目的なのです。
もちろん、被相続人の固有の財産が申告漏れになっていることもあります
。しかし、実際には被相続人から相続人や関係人へ財産が移転していること
のほうが多いのです。
被相続人の預金や株式が、配偶者や子又は孫へ名義が変えられているので
す。
ご主人の収入が1,000万円以上あって、配偶者や子や孫にほとんど収入が
ないにもかかわらず、ご主人が亡くなった時にご主人の預金が2,000万円あ
って、配偶者や子又は孫に数千万円の預金があったとすれば、これは明らか
におかしいと思います。
相続税の申告書が提出された後に税務署では、こうした資料の収集を始め
、ここで相当なことが明瞭になってきます。もちろん、被相続人の過去の確
定申告の内容、財産債務の明細等は入念にチェツクされます。特に譲渡所得
、大口の株式売却、退職金の有無、そして、大口のお金の流れは十分に調査
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