相続税務調査への対応 本文へジャンプ
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太田滋税理士事務所
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相続税税務調査の進め方のポイント
相続税の調査の目的は、申告されていない資産を見つけ出すことです。専門的にいえば、家探しになることもおります。法人税や所得税は、基本的には帳簿があり書類があることが前提です。取引がが通常は明確です。ところが相続税は本人がいないので、帳簿もありません。そこで、調査官は被相続人の過去の申告や本人の足跡から、財産の構築される過程を追及してきます。そしておもむろに相続人に確認にくるのです。
 調査官の質問は、無意味なものはありません。何気ない質問の中に意図が隠されています。質問にはポイントと調査官の意図があります。例えばご本人の趣味を聞くのは個人的な性格を聞いているのではなく、趣味と財産との関係を探りたいのです。ゴルフが趣味といえば、ゴルフ会員権もあるのか、本人が趣味もなく仕事一途であれば、お金の使い方は地味で浪費していないのか。そうすれば、大口預金の引出しでは、まさかバクチでなくなったとか浪費したとは答えにくくなります。
 病気の様子を聞くのは本人がいつ頃から入院し、その後の預金の管理を誰が行っていたのか聞き出したいのです。3年前から本人が寝たっきりであれば、預金の引出しは配偶者あるいは子供が行っていたとみなします。
 となれば、預金の引出しについて、相続人は「知りません。本人が使いました。」とは答えられなくなります。
 本人が几帳面であったかどうかは重要です。几帳面であれば、必ず記録を残してあるはずです。特にノ-ト、日記、そして手帳に大事なことは書かれています。その存在と中身を見たいのです。手帳やメモ、ノ-トを見つけ出すことは、相続調査の大きなポイントになります。本人が書いた記録ですから、信憑性は高く、場合によつては財産のことがすべて記載されていることがあるからです。
 さて、こうした質問は何気なく、さりげなく普通の会話のように話しかけてきます。例えば「ご主人は普段はどんなことを楽しまれていましたか。」「看病はは大変だったですね。」「まじめで仕事一途なかただったんですね。」「奥様はずっとご主人を支えて専業主婦でいらしたんですね。」等々、遠回しではありますが、的確にポイントを突いてきます。
 いきなり、相続人の預金を見せてくださいなんて質問はしません。しかし、こうした会話は午前中まてです。こうした会話によって、調査官と相続人の関係が馴染んできて、相続人は気持ちの上ではほっとした気がしてきます。
 そして、後半は現場確認や重要書類の所在確認をするにつれて、質問や態度が強くなってきます。特に確証に迫ってくるとかなりきつい口調となり、相続人を問い詰めてくるのが常です。